宇宙・地球・環境科学専門部会長 あいさつ 部会長 西田篤弘(2008年6月)

一般人が常識として持っている科学用語のうち半数ほどは宇宙と地球に関るものではないだろうか。宇宙は誰にも人間を越える大きな世界の存在を感じさせ、疑問を持たせる。古くから人類は天体現象に興味を持ち、宇宙観を築こうとしてきた。また、地球は人間が生きる場である。身辺に起きる様々な自然現象は身近な謎であるばかりでなく、生活に直接に影響する。人類は地球の謎に挑戦するだけでなく、地球諸現象の予報を志し、周期性や他の現象との相関関係を求めてきた。さらに人間の存在が地球環境に深刻な影響を与えることも認識されてきた。

従って、宇宙・地球・環境についてのリテラシーは、事物や事象の記述にとどまるものではない。それは既に共有されているといってよい。自然界の構造や現象の背後にあるメカニズムや歴史についての理解のレベルでのリテラシーの普及を目指したい。

さらに、どのようにしてそのように理解できるのか、どうして正しいと言えるのだろうか、という所まで踏み込みたい。自然現象の理解には系統的な観測や、基礎的な法則が基礎をなしている。誰しも持つ素朴な疑問に答えるためにも科学的な手法を用いることが必要である。これは反面、疑似科学の蔓延を防止する努力でもある。たとえば地震予知がなぜ困難であるかを理解してもらうことである。

宇宙・地球・環境部会では、この認識に基づき、文科系に進む高校生程度を対象として想定し、事実の羅列ではなく、その科学的な理解の浸透を目指した。地球上の身近な自然現象、および心を惹く宇宙の構造・現象をとりあげ、その理解を通して、科学的な物の見方、考え方の面白さを見につけてもらうことを目標とした。