3.1 太陽系のなかの地球(水の惑星と生命の誕生)

 私たちの人間の体の半分以上は水でできているそうだ。だから、毎日なんらかの形で水分を取らないとたちまち死んでしまう。私たちが毎日、水を飲んでいられるのは、地球という水の惑星に住んでいるからだ。地球には、ありとあらゆる所に水がある。しかし、このような天休は、宇宙広しといえどもざらにあるわけではない。地球に水がなければ、私たちは生きていけないだけでなく、微生物をふくめ、そもそも地球上の生命そのものがこの地球に誕生しなかったと思われている。

 それではなぜ、地球だけがこのように豊かな水の惑星なのだろうか。太陽系のなかにある8つの惑星のうちで、惑星の表面に水があるのはただひとつ、地球だけである。地球にもっとも近く、太陽からのエネルギーは地球と同じように受けている月は、表面が砂と岩石の広がる砂漢のような天体であり、一滴の水も見られない。これは月の大きさが地球の4分の1ほどしかなく、重力も地球の6分の1しかないことと関係している。重力が小さいために、水の分子を引きとめる十分な力がないからだ。月に海や川があったとしても、この水は宇宙空間に簡単に逃げ出してしまうのだ。

 地球と同じぐらいの大きさの金星にも水はない。金星の表面の温度は鉛でも溶けてしまうような高温なのだ。これは金星が地球よりも太陽の近くにあり、地球より多くの太陽熟をもらうからである。地球は、太陽から1億5000万kmの場所にあるのに対して、金星は太陽から約1億kmの場所にある。たった5000万km(宇宙ではこの程度の距離は微々たるものである)の違いで、金星の受け取る太陽熱は地球の約2倍になり、金星の海は蒸発してしまう。金星表面から海がなくなると、内部から放出される炭酸ガスは(地球の海のように炭酸ガスを吸収できないので)、大気として金星を取りかこみ、炭酸ガスの温室効果で、金星はますます熱くなってくる。

 地球より約8000万kmだけ遠くにある火星には、地球が太陽から受け取るエネルギーの半分以下(同じ面積で比べて)しか届かない。また火星の大きさは地球の半分しかないために、火星を暖めておくのに十分な大気の毛布がない。このため火星の平均気温はマイナス70 ℃まで下がっている。このため火星に水があったとしても、氷になってしまう。火星の歴史の上では温暖な気候があった時期もあり、海があった可能性もあるといわれているが、暖かい期間はごく短かったと思われている。

 火星よりも遠くの惑星では、さらに温度の低い極寒の世界であり、水はみんな氷になっている。太陽系の惑星のなかで、水が液体の水として惑星表面に存在するのは、私たちの地球だけなのだ。

もし太陽がいまの2倍の重さがあれば、その寿命は20億年という短いものになってしまうと予想されている。そういう寿命の短い星の周りの惑星では、生命が進化していくのに十分な時間がとれない。また、いまの太陽の2分の1しかない小さな星の周りでは、その星の発する熱は現在の太陽の4%ほどしかなく、惑星をちょうど良い温度に保つことができなくなるのだ。

 こう考えると、私たちの地球はこの広い宇宙のなかでも奇跡のような存在であることがわかる。太陽という星の周りで、ちょうど良い場所に、ちょうど良い大きさの惑星があったために、そこで生命が誕生し、海のなかで生命の進化が進み、やがて人間のような生物が生まれたと思われる。これを読んでいる君も、宇宙のなかの奇跡のような存在と言えよう。